【脱スランプ】バッティングのスランプに陥る原因と対処法

「沼にハマる」
試合で打てないことが続いて、そんな状況になってしまったと感じている人に向けて、魂込めて書きます。
バッティングは「水物」と言われるほど、安定した結果を出し続けるのが難しいものです。どんなに練習していても、状態が悪くて打てなくなるときはありますし、その状態がしばらく続いてしまうこともあります。いわゆる「スランプ」です。
私自身、何度かこの“沼”にハマった経験があります。そういう状況の時は、どうしても打ちたいという気持ちが先行して、結果に一喜一憂し、落ち込んでしまう気持ちがとてもわかります。
今回は、スランプに陥ってしまう原因と、私自身が試して効果を感じたスランプへの対処法を独断と偏見で紹介します。同じように悩んでいる方のヒントになればと思います。
スランプに陥る原因3つ
手始めにスランプに陥ってしまう原因となるものを3つ挙げていきます。
1. 結果を気にしすぎる
バッティングは10回に3回打てれば一流と言われる世界です。それにもかかわらず、「ヒットになったかどうか」「いい当たりだったかどうか」といった“結果”ばかりに意識が向けてしまうと、スランプに陥りやすくなります。
結果が出なかった打席に対して、「自分はダメだ」と思い込んでしまうと、次の打席での自信がなくなり、バッティング自体が崩れてしまう原因になります。打撃は結果はもちろん大事ですが、ダメな時ほど内容を大事にすべきもの。結果に引っ張られすぎると、自分の打撃を見失うリスクが高くなってしまいます。
2. 周りの意見に振り回される
打てないことが続くと、周囲から様々なアドバイスが飛んできます。もちろんそれらが参考になることもありますが、問題は「すべてを鵜呑みにして聞いてしてしまうこと」です。
また、打てなくて自分のバッティングに対する自信がなくなっているときほど、人の言葉が刺さりやすくなります。しかし、バッティングには必ず“自分なりの形”があり、その自分の形を全て度外視して考えてしまうと迷走してしまう原因になります。。
「全部を試してみた結果、全部中途半端になる」ということもあるので。そうなるとさらに方向を見失いやすくなります。スランプ時こそ、なんでも良いのでしっかりとした自分の“軸”を持つことが必要です。
3. 複雑に考えすぎてしまう
打てない理由について分析する姿勢は大切ですが、要素を挙げすぎると、逆に考えすぎて沼にハマります。
打てなかった時の理由を、構え、間合い、スイング軌道、力み…など、全て網羅的に考えだすとキリがなく、打席内でも思考が止まらなくなります。バッティング自体は来た球を打つというとてもシンプルなものなのに、無駄にあれこれ内省して無理やり複雑にしすぎてしまう。これもスランプの原因となります。
スランプから抜け出す対処法4つ
ここからは対処法(実際に私も実践した)を挙げていきます。
1. 思い切って“大きく変えてみる”
まずはフォーム、スイング、意識など、普段の自分のバッティングから何かしらを変えてみるということが良いです。スランプにハマっていると、いつもの自分のフォームに固執してしまいがちです。しかし、今まで通りの方法で結果が出ていないなら、「思い切って変える」ことで新しい感覚が得られることもあります。
スランプの時に何かを変えるという発想自体は結構あるあるかもしれないですが、私が大事にしているのは「大きく変える」ということです。
バッティングの感覚は繊細なので、自分の中で「変えている」と思っていても、案外何も変わっていないということが多いです。なので、大きく変える意識を持つこと。そうすることで、「変えてみてどうだったか」というフィードバックが素直な感覚でできるし、気持ち的な面でも「これだけ変えるんだから結果がダメでも仕方ない」とメンタル面でも吹っ切れた状態が作れるのがメリットです。
2. シンプルに考える
スランプに陥る原因で、複雑に考えすぎてしまうことを挙げましたが、それについての対処法です。
私は打席で凡退したとき、「タイミングがどうだったか」と「力みはなかったか」の2点だけを確認するようにしています。これ以外は基本的に考えないと決めています。
このように原因の分析事項を絞ると、打てなくても余計な迷いがなくなります。そして、その後の反省・改善がしやすくなります。
極論ですが、私の中では打席で打てなかった時の原因のほとんどは「タイミング」と「力み」の2つに集約されると感じています。もちろんタイミングがずれていたなら、「なぜズレていたのか」、力みがあったなら「なぜ力んでいたのか」というように深掘りはしますが、それ以上横に広げる必要はないなと思っています。さまざまな原因に思考を奪われるより、自分の中で絞った原因にフォーカスする方が、次やることが明確になるし、結果的に調子を戻すことに繋がります。
3. アクションを起こす
スランプ中は「何しても打てる気がしない」という感覚になる時があります。そのときは、打席での目標を“ヒットを打つこと”から“別のアクションを起こすこと”に変えてみるのが効果的です。
たとえば、「ヒットじゃなくて良いからゴロを打ちに行こう」「とりあえず引っ張ろう」など、自分の中で達成可能な課題を設定する。そう考えて臨むことで打たないといけないプレッシャーに対して自然と距離を置けるので。
沼にハマっていると、「打席で考えすぎてバットを振れない」ことがありますが、そういう時にやる対処法として「一人エンドラン」は有名だし、おすすめです。ランナーがいない場面でも、自分の中で「次の球はエンドランのサインが出た」と仮定し、どんな球でも打ちに行く。メンタル的に考える負荷が減るし、振れないという状況を無理矢理変えられるので、バットが出せない時は使える方法です。
4. 焦らずどっしり構える
個人的に大事にしている精神論です。
スランプ中は、どうしても焦りや不安が表に出やすくなります。焦りや不安が出るのは仕方ないことですが、それを外にわかりやすく出しすぎてしまうと、あまりよくはないのかなと思っています。相手チームにも、「カモれそうなバッター」に見られるし、自チームにもそういうネガティブな空気感が波及してしまうので。だからこそ表情や態度でそれを見せないことは大切です。
逆にどっしりしておいて、「こいつ全然打ってはないけど、心配する必要はなさそうだな」と思ってもらえた方が、チーム内での心配事を増やさないようにすることに繋がります。それが信頼になるし、何より自分自身の立て直しにもなります。結果が出なくても、黙々と自分のすべきことをやる。淡々と次に向けて準備を続ける。技術面ではないですが、こういう姿勢がスランプ脱出のためにはある程度重要かなと思っています。
おわりに
バッティングは波があるものです。結果がコンスタントに出るときもあれば、何をしても打てない時期もある。だからこそ、そういったスランプに陥ったときに「どう考えて、どう対処するか」が、選手としての価値を分けると思います。
「スランプ=自分が最悪な状況」ではなく、「スランプ=成長のチャンス」だし、その経験がまた野球選手としてのさらなるレベルアップに繋がります。辛いのは当然なので、なんとか前向きに捉えていってもらえればと思います。
ヒットのHランプは最大の処方箋。今回お伝えした内容が参考になれば嬉しいです。最後まで読んでいただきありがとうございました。
最後に
全く打てなくなった時、おもちゃの刀で素振りをさせられたことがあります。