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【飛ばしたい人必見】バッティングで飛距離を出す方法①

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バッティングでの飛距離への憧れは、おそらく弥生時代からはあったんじゃないかと思っています。

今回は、もっと打撃で飛距離を出したいと思っている人や、飛ばすポテンシャルはあるが安定して飛ばせない人が、何を意識すれば飛距離の出る打ち方ができるか、という内容を書いていきます。

私自身、当たれば飛ぶ男、通称「ロト6」として名をあげてきました。体が大きいから飛ばす力に長けていると思われることが多いですが、実は小さい頃から結構飛ばせる方でした。そこで、私自身の経験と知識をフル稼働して、バッティングで飛ばす秘訣を共有していきたいと思います。一気に書くと少し長くなりそうなので、2部に分けて書いていきます。

第1部の今回は若干専門的なので、玄人向けです。

涙なしには語れない内容になっているので、皆さんもハンカチとバットを用意して、心してご拝読ください。


バッティングで飛距離を出す方法


飛距離を出す要素

前提として、バッティングで飛距離を出すためには何が必要なのか、ということを考えていきます。バッティングの飛距離に影響を与えている要素を上げていくと、

①バットスピード(スイングスピード)
②芯に当てること
③打球角度
④打球の回転
⑤ピッチャーのボールの速度
⑥バットの質量、反発係数
⑦風、気温、湿度などの環境

この7つくらいが挙げられるかと。その中で、打者が自分でコントロールしやすい要素は、①〜④だと思います。したがって、①〜④の部分を、何をすることで最適化、最大化できるか、という話を、私の独断と偏見でしていきます。


全身を正しく機能させて打つ

今回はここがほぼメインなので、若干長くなるかもです。流し読みで雰囲気掴んでいただければなと。

インサイドアウト

正しいスイングとしてバットを内側から出していく「インサイドアウト」のスイングがいわれます。インサイドアウトのスイングをすることで、スイングスピードが最大化できるし、バットがボールに対して外側から遠回りするいわゆる「ドアスイング」を防ぐことができる、というような感じで、そう言われる事が多いのかなと。これはその通りですが、安易に「内側から出すスイング」が良いという認識で終わってしまうと、間違えたスイングを覚えてしまう恐れもあるので注意が必要です。

もちろんスイングを覚えるためのとっかかりとしてインサイドアウトのスイングを作る意識があって良いですが、実際は上半身、下半身を正しく機能させれば、結果として「インサイドアウトのスイングになる」という理解が必要です。

それを踏まえて、上半身と下半身の役割についてそれぞれざっと書いていきます。

上半身の役割

インサイドアウトを含め、スイング軌道に関しては9割が上半身が担っていると言って良いです。上半身は、グリップ側の腕(ボトムハンド)、ヘッド側の腕(トップハンド)、体幹部の3つに分けて考えると説明しやすいです。

ボトムハンドは、「ボールを捉える」ために一番重要です。ボールのラインにバットを入れる、スイングプレーンを決めているのはボトムハンドです。ボトムハンド側の肩、腕のライン状にバットが来るので、肩、腕のラインがずれていると、バットの軌道もずれることになります。また、ボトムハンドがスイング時に極端に体から離れていくと、いわゆるドアスイングになってしまいます。

トップハンドは、スイングスピードを加速させることに貢献しています。スイングで「詰まっても持ってく」「ボールに負けない」などの表現が使われることがありますが、そういったスイングの最後の加速部分を担っているのがトップハンドです。
ただし、このトップハンド側を使うタイミングが難しく、ヘッドが早く返って引っ掛ける原因になったり、無駄に力を入れてスイング軌道をズラしてしまう原因にもなったりします。

体幹部で特に意識するのは胸郭や肩甲骨周りです。重要なのは、この部分をスイング時にちゃんと回転させることです。トップに入った時に上半身と下半身で「割れ」と呼ばれる状態になりますが、ここから胸郭や肩甲骨を中心とした上半身を回転させる必要があります。この回転がうまくできていないと、下半身と一緒に回転してバットが出てこなかったり、手打ちになったりしてしまいます。割れ→骨盤を中心とした下半身を回転→上半身を回転。の順です。上半身も、肩と肩が入れ替わるくらいまで回転させるのが飛距離を出すためのポイントです。

下半身の役割

パワーの源になっている部分でもあり、打球方向を決めている部分でもあります。おおよそ骨盤の向いている方向に、打球が飛んでいきます。右バッターの右打ちを想像すれば、骨盤を回さずに打球方向を右方向に固定して打っているんだなというイメージがしやすいかと思います。

パワーの源になっている下半身ですが、とにかく下半身に力を込めたり、足の回転スピードを早くすれば良いわけではないです。下半身は、ステップで全身の並進運動を行い、前足の着地で上半身と下半身のねじれ(捻転差)を作り、前脚軸で回転することで体幹部へパワーを伝えるという役割をしています。端的に言えばアクセルとブレーキの両方を使って、パワーを生み出しているというような感じです。なので、力を入れることや、ただ回転スピードを早くすることよりも、アクセルで強い回転エネルギーを作り、適切なタイミングでブレーキしてスイングスピードを生み出しているんだなとイメージしてもらうと良いかなと思います。

前脚でエネルギーを受け止めて、回転させる。変にどこかに力を入れることよりも、このシンプルな動作の中で、股関節が緩んだり、つま先で地面を蹴ったりなどして、力を逃さないようにする事が大切です。私に感覚としては、前脚に自然に乗っかる、くらいの力感が1番力が伝わるような感じがします。

 

まとめ

字面で読むとわかりにくいですね。とりあえず今回伝えたいことは、ただ闇雲に筋力をつけたり、身体のどこか一部分の力を使うのではなく、全身をしっかり機能させるという身体操作の技術が、飛距離を生み出すためには一番の要になってきます。とは言ったものの、未成熟なカテゴリーでは、細かいことは考えず、「とにかく強く振る」「遠くに飛ばす」という教えをするのが良いかなと。その方がある程度までは自然にその感覚が育つので。ある程度成熟してきたら、上半身、下半身にそれぞれ役割があって、正しく使う必要がある認識を持つ方が良いと思います。

全カテゴリーに共通するのは、「身体で打つ」という意識は持っても良いかなと。指導現場でも、選手同士の会話でも、「手」とか「脚」の使い方に関する言葉がよく話される印象があります。手や足の操作を司っているのも、大元は体幹部分だったり、身体の中心に近い部分です。飛距離を出す、という観点だけで見たら、細かい部分を意識するよりも、身体全体で飛ばすという感覚を持つ方が特に大切です。

 

年末の予定くらいガチャガチャっとしましたが、第1部は一旦この辺で終わります。

読んでいただきありがとうございました。

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大城駿斗

沖縄出身の社会人野球選手

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