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【キャッチボールの心得】守備上達のために心がけたいこと

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野球の練習の中で、一番オーソドックスな練習が「キャッチボール」です。
プロでもアマチュアでも、野球チームで、キャッチボールをしないチームはないと思います。

ただその一方で、「いつもやっているから、なんとなくこなしてしまっている」という人も多いのではないでしょうか。
キャッチボールは守備の基本。野球が上手な人ほど、キャッチボールに対するこだわりが強いです。

今回はキャッチボールで「何を意識すると上達に直結するのか」という目線で記事を書いていきます。守備が上達したい人はもちろん、小学生や初心者の人でも、今日からキャッチボールがもっと楽しくなって、かつ上達する内容を、非正規のルートから入手してきたので外部に漏らさないように読んでいただければと思います。


キャッチボールで心がけること

1. 「送球」で心がけたい5つのポイント

 

(1)相手が「捕りやすい場所」に投げる

何を今更と思う人は改めて大事にして欲しいポイントです。

よく「胸に投げろ」と言われます。確かに迷ったら胸に投げておけば大きな問題にはなりません。ただ、実際の場面では全球「胸」にめがけて投げるのは難しいというのもあると思います。試合では捕球体勢が悪いこともあれば、雨でボールが濡れていたり、うまく握れていなくても投げなくてはいけない場面だってあります。なので、「胸」という部分ではなくて、「捕りやすいところ」という大枠で考えるようにしてください。

「捕りやすい」というのを分解していくと、「胸」が一番良いとすれば、その次は「顔」や「ベルト」付近が良いし、動かないと捕れないボールよりは、腕で届く範囲が良い。横にそれたボールよりは、バウンドしていてラインが合ってる方が良いし、バウンドもハーフバウンドよりはショートバウンドが良い。

「捕りやすい」を意識して普段からキャッチボールをしていれば、こんな風にその状況でどんな球を投げるべきかを冷静に判断できます。

もちろん狙ったところに投げられるならそうできるのがベストです。ですが、「送球」は狙う的が狭くなるほど難しくなります。自分のレベルが達していないなら、それに応じて「ある程度は許容する」という意味でも「捕りやすい」が達成できていればOKとして良いでしょう。

また、タッチプレーやカットプレーなどの、次のプレーをイメージした「捕りやすい場所」を意識することも大切です。

(2)相手の奥に「突き抜ける球」を投げる

これも大事なポイントです。

山なりで放物線のように相手に向かって落ちていくボールではなく、相手の胸を突き抜けるような真っ直ぐ伸びるボールを投げられるように意識しましょう。先程の「捕りやすい」にも直結する部分ですが、垂れて行くボールよりは真っ直ぐ来た方が捕りやすいです。

強く投げれば良いのではなく、綺麗なボールの回転とリリースの力感で、真っ直ぐ行く球を覚えていく必要があります。

「突き抜ける球」を安定して投げられるようになれば、自然と「良い送球」ができるようになって、キャッチボールのレベルが上がります。

(3)良い回転のボールを投げる

野球をやっていて変則のピッチャーでない限りは、綺麗な縦回転(完全な縦ではない)で投げられるように普段から意識して欲しいです。

カットボールして曲がっていく送球や、シンカーのように落ちていってしまう送球になってしまうのは、身体をうまく使えていない証拠です。そういった回転の乱れたボールは、送球の強さが出ないだけでなく、バウンドしたときにもイレギュラーしてしまうので、捕る側が捕球しにくくなります。

逆に回転がしっかりしていれば、多少横にそれたり、バウンドしていても、捕りやすい球になります。

「突き抜ける球」を投げることにも繋がる部分です。キャッチボールの段階から、ボールの回転を意識して投げてください。

また、回転の向きだけではなく回転数も意識してください。回転数が少ないと、縦回転でもボールが垂れていってしまいます。イメージは指先で「撫でる」のではなく「弾く」感じです。縦向きで、しっかり回転しているボールを投げましょう。

(4)いろんな投げ方を試してみる

遊び感覚を持って色んな投げ方で練習することも大切です。

ピッチャーになったつもりで、きっちり投げるのも良いですが、スナップスロー、サイドスローなど角度やフォームを変えた投げ方を気軽な感じで取り入れて欲しいです。

先にも触れましたが、守備中は悪い体勢からでも投げなければいけない場面が訪れます。
「この体勢からは投げられない」という状態ではプレーの幅が狭くなってしまうので、どんな体勢でも、どんな角度でも投げられるように意識して練習する必要があります。

さらに、送球のバリエーションが多いとイップス防止にもなるので、まだ意識したことない人は早い段階から色んな投げ方でバリエーションを増やす意識を持って欲しいです。

(5)遠投でも“優しい力感”で投げる

キャッチボールで距離が離れてくると、だんだん上半身に力が入りがちになってきます。それで、「ある程度投げられちゃう人」は特に要注意です。ガタが来て故障してしまうリスクもあるので。

また、過剰に上だけの力に頼っているとコントロールにも安定感が出ません。遠投こそ上半身だけの力に頼らず全身をしっかり稼働させることで、正しい身体の使い方ができるようになってきます。

大切なのは「近い距離の時となるべく同じような力感で投げる」ことです。最初は難しいですが、意識していると上手くできるようになってくるので、感覚を身体で覚えた方が良いかと思います。


2. 「捕球」で心がけたい3つのポイント

(1)どこに来ても「芯」で捕る

当たり前のようで難しいのが、どんな場所に来てもグラブの芯で捕るということです。低いボールでも、横にそれたボールでも、ショートバウンドでも、芯で捕る意識です。網の部分や土手で捕らない(わざとならOK)。毎球「パチンッ」と高い音を鳴らして捕れるように心がけましょう。そうすることで、ファンブルのリスクも減らせるし、内野手や捕手ならタッチの時ランナーのスライディングを受けてもボールを落とさないことにつながります。

また、捕球後の動作(握りかえ・送球)にも影響を与えます。
芯で捕らないと握りかえも上手くいかないので、悪送球の原因になります。芯で捕れると握りかえもスムーズに行えるので、そのためにも芯で捕ることが大切です。

(2)体の近くで捕る

待てば近くで捕れるボールを、自分から腕を伸ばして捕りにいく人がいますが、これは時間的なロスの原因になります。

守備では、捕ったらすぐに投げるという流れが基本です。
ボールを自分で腕を伸ばして捕りに行くと、グラブを自分の近くに戻して握りかえるという動作になるので、その「戻す時間」がロスになります。

腕を伸ばさないと届かないボールなら仕方ないですが、そうでない限りは最初から体の近くで捕ることで、時間を短縮できます。

ほんとにちょっとした差ですが、待って近くで捕る方が確実に早いです。普段のキャッチボールの捕球から、その意識は持つようにした方が良いです。

(3)捕って握りかえまで意識する

繰り返しになりますが、守備は「捕って終わり」ではなく、「捕って、投げる」までが一連の流れです。だからこそ、捕るときに“あらかじめ投げることを意識”しておくことが重要になります。

投げるためには捕って握りかえをしないといけないので、「捕ったら握りかえる」というところまで普段のキャッチボールからやっていると、キャッチボールがより実践的な練習になります。

握りかえではきれいに縫い目を握れない場面もあるので、それでも投げられるように、あえて毎回ベストな握りでなくても投げる練習をしておくことも大切です。


3. おわりに

野球をやっている人であれば、キャッチボールはほぼ毎日やることだと思います。毎日やるからこそ、こういった意識を「当たり前に積み重ねられるかどうか」が上達の鍵になります。

また、守備で「捕球」はグラウンドのコンディションに左右されることもありますが、「送球」は自分でコントロールできる(しやすい?)要素です。捕球を軽視するわけではないですが、送球はその分責任が大きいと思っています。ワンミスがチームに与える影響も大きい部分です。

逆に言えば、普段の練習で意識すれば確実にレベルアップしていけるものでもあります。キャッチボールがそのためにとても重要な練習になるので、キャッチボールを意識を高く持って取り組んでいただければなと。

色々書きすぎましたが、今回の内容で何か発見があった人は、ぜひ次のキャッチボールから意識してみてください。

最後に
親子でキャッチボールをしている人たちを見かけた時は、焚き火を見ている時と同じような気持ちになります。

ありがとうございました。

 

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大城駿斗

沖縄出身の社会人野球選手

野球NOTEで感覚や思考を発信中!

シンプルさは究極の洗練である。

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